不登校には「混乱期」「安定期」「回復期」という流れがあると言われています。 そのなかでも多くの親が戸惑うのが、回復期に入った子どもがとにかく“よく寝る”こと。
「これって本当に回復なの?」
「寝てばかりで大丈夫なのかな」
頭では理解していても、実際に目の前で眠り続ける姿を見ると、不安になるのが親の本音です。
実は、この“よく寝る”という現象には、心と体が次のステップへ進むための深い理由があります。
この記事では、6年間の不登校生活を経験した私が、回復期の眠りに隠れた意味や、心が軽くなった考え方をお伝えします。
※不登校のリズムには個人差があります。回復期でも全員が当てはまるわけではありません。
不登校の回復期の状態とは?

不登校には、大きく3つの時期があります。
- 混乱期:心が不安定で、学校に行けなくなる初期
- 安定期:エネルギーが切れて、ひたすら静かに過ごす時期
- 回復期:心が少しずつ外の世界に意識が向き始める時期
今回のテーマは、この 回復期に見られる“強い眠気” についてです。
回復期に入ると、子どもはとにかくよく寝るようになります。
夜遅くに布団に入って、翌日のお昼過ぎまでぐっすり……。
ネットや本では「不登校の回復期はよく寝るのが回復のサイン」と書かれていますが、 実際に目の前で眠り続ける我が子を見ると、不安になるのが親の本音です。
「これで本当に大丈夫なの?」
「いつになったら元気になるんだろう」
頭では「回復期だ」と理解していても、心が追いつかない。正直、今でも半信半疑です。
▶不登校の段階はこちらで詳しく説明しています。
不登校の回復期に「よく寝る」 と言われる理由
不登校の回復期によく眠るのは、 心と体がこれまで消耗したエネルギーを回復させているサインだと言われています。
また、自律神経の乱れが少しずつ整い始める時期とも考えられています。
支援は自分で動かないと手に入らない現実
実際のところ、お医者さんやスクールカウンセラーさんから「寝るのが回復のステップだよ」というような説明をもらえることは、意外と少ない気がします。
不登校に関する情報は、自分から探しに行かないと届かないのが現実です。
私も最初は、何が正しいのか分からずに手探りでした。
調べてみると、どのサイトにも「回復期がある」と書かれています。
でも、その回復期がどれくらい続くのかは本当に人それぞれ。
数ヶ月で動き出す子もいれば、数年かけてゆっくり進む子もいる。
「回復期のどの段階にいるのか」は、外からは判断できません。
気持ちがふっと軽くなった「働きアリの法則」

「明日こそは昼までに起きようね」と約束しても、翌日また裏切られる。
その繰り返しでメンタルがきつくなっていた時、私はあることを思い出しました。
それが「働きアリの法則(2:6:2の法則)」です。
アリの集団には、必ず「2割」ほど、ほとんど働かない個体が存在するそうです。
これは怠けではなく、集団が全滅しないための「予備」であり、生物学的に組み込まれた仕組みなのだとか。
これを思い出したとき、私は少しだけ「あきらめ」がつきました。
「学校という場所がどうしても合わない子が、一定数いても不思議じゃないのかもしれない」
私の育て方の問題でも、この子の根性の問題でもない。
ただ、人間の集団にも“多様性”があって当然で、 その中には「学校という仕組みと相性が悪い子」が一定数いてもおかしくない。
人間に一定数左利きがいるように、 「学校が合わない」という特性を持つ子がいるのも、 ある意味では自然なことなのかもしれません。
そう思えた瞬間、親としての焦りや罪悪感が、ほんの少しだけ軽くなりました。
……とはいえ、昼過ぎに起きてくる顔を見ると、 イラッとしたりガッカリしたり、複雑な気持ちになるのも事実です。
それでも今は、「この子は“学校が合わないタイプ”なだけかもしれない」 という知識で、なんとか自分の心を保っている毎日です。
世界中で「2割」の子が学校と距離を置いている

実は、広い視野で世界を見てみると、さらに面白いことがわかります。
- アメリカ:約28%(授業日の10%以上を欠席する子)
- イギリス:約21%(授業の10%以上を欠席する子)
あくまで欠席率という数字で見た場合ですが、文化も教育制度も違う国々で、不思議と「約2割強」の子どもたちが、既存の学校システムから距離を置いています。
これは、日本だけの問題でも、個人の性格の問題でもなく、ある種の「生命の確率」のようなものなのかもしれません。
※こちらの記事では、アメリカやイギリスの不登校事情や、昔の不登校について調べています。
まとめ:焦らず、小さなサインを見守る
「あきらめる」という言葉は、投げ出すことではなく、現状を「明らかに、見極める」ことだと言われます。
「不登校の回復期によく寝る」のは、生命が次のステップへ進むための大切な準備期間。
そう割り切ることで、少しだけ肩の荷を下ろせる気がしませんか?
- 無理に起こさず、眠れるだけ眠らせる
- 日中に光を浴びる時間を少しずつ作る
- 「笑顔が見られた」など、小さな変化を大切にする
焦らず見守ることが、結果として一番のサポートになります。
それでも正直に言うと、「起こさない」「見守る」がいつも正解だなんて、今でも思えていません。
それでも、怒っても今まで何も変わらなかった。
だから私は、少なくとも「生きていたい」と子どもが思えるほうを選んでいます。
それが甘やかしかどうかは、たぶんずっと分からないままです。
▶不登校の家庭での接し方はこちらにまとめてあります。


