不登校の親の特徴とは?実体験から考える、よく言われるイメージとの違い

不登校の親の特徴とは?実体験から考える、よく言われるイメージとの違い 家庭生活と接し方
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「不登校の親の特徴」と検索すると、 完璧主義・過干渉・甘やかし…といった言葉が並び、 胸がざわつく親も多いのではないでしょうか。

私自身、息子が小2から6年間不登校になり、 ネットで見かける“親の特徴”という言葉に何度も落ち込みました。

しかし、不登校の親に特定の性格的特徴があるわけではありません。
多くの場合、生活構造や環境の制約によって、結果として「完璧主義」「過干渉」に見えるだけです。

この記事では、ネットでよく言われる特徴と、私の6年間の実体験から見えたリアルな親の姿を整理します。

※この記事は、私自身の経験をもとにした個人的な視点です。不登校の背景や要因は家庭ごとに大きく異なり、すべてのケースに当てはまるわけではありません。

▶不登校の歴史や海外との比較はこちらをご覧ください。


一般的に言われている「不登校の親の特徴」

ネットで調べてみると、不登校の親について次のような特徴がみられました。

  • 完璧主義
  • 過干渉・過保護
  • 感情的に怒る
  • 甘やかしすぎ
  • 親の考えを押し付ける

こうした言葉を見ると、自分に当てはまるのではと不安になる親も多いでしょう。
でも、これらはあくまで外から見た印象であり、背景を知ると事情は少し違います。

実際はどうか?私の体験から

私の場合、息子が小2から6年間不登校になりました。
その中で感じたのは、性格ではなく、環境や生活構造によってそう見えてしまうだけだということです。

こうした「親の特徴」という言われ方については、専門家の間でも慎重な意見があります。

ここからは、私自身の経験をもとに感じたことを書いていきます。あくまで一つのケースとして読んでいただければ嬉しいです。

親の幼少期の環境が影響する

不登校児の親の幼少期の環境

私が子どもの頃は、親も社会も学校も、「ルールを守ること」「集団に合わせること」が前提でした。

「宿題はやらなければ怒られる」

「遅刻はあり得ない」

「体調不良以外は休ませてもらえない」

という環境で育ったため、これらのルールに背むいたり、親や先生の言うことを聞かないと言うことが理解できませんでした。

もしも、親に口答えをしたとしたら、感情的に怒られるのが当たり前でした。

これらが当然の家庭環境や時代のため、現在の「不登校でも大丈夫」が当初全く理解できませんでした。

このように幼少期から厳しい行動を求められていたので、「それが当然」と思い込み、自然と自分の子どもにもこれらを押し付けてしまっていました。

今振り返ると、本当に申し訳なかったと猛省しています。

これが世間からみた完璧主義の姿であれば、不登校の親の特徴には当てはまってると思います。

これは言い訳かもしれませんが、価値観の土台が違う時代や環境で育った結果だと思っています。

結果的に、「親の考えを押し付けてる」と思われる要因の一つでもあると思います。

共働き家庭では「学校に行く」のが生活の前提になる

共働き家庭では、「学校へ行く」ことが前提で生活が回っていることが少なくありません。

「この時間までに、子どもにご飯を食べさせる。」「この時間までにお風呂を入れる。」

常に頭の中はタスクでいっぱいです。

毎日の生活がテトリスのように降ってくるので、常に綺麗にタスクがこなせるように考える必要があります。

ひとつタスクがあふれると、どんどんたまり、キャパオーバーになるかもしれません。

そんなふうに、学校のスケジュールを軸に生活を組み立てている家庭も多いのではないでしょうか。

「かまっていられない」というより、かまえる余白がなかったという方が近いと思います。

その結果、子どもが自分で失敗する機会を、「時間がないから」という理由で先回りして奪ってしまうこともありました。

この前提が崩れたときに、職場に迷惑をかける場面が増え、余裕を失って感情的に怒ってしまったこともあります。

親は「甘やかし」と「責めるな」の板挟みになる

親は「甘やかし」と「責めるな」の板挟みになる

不登校の親は、今もなお「甘やかしている」と見られがちです。

一方で、支援に関わる人からは「責めてはいけない」「プレッシャーをかけないで」と言われます。

どちらの言い分も、言っていること自体は理解できます。

でも、その両方を同時に背負わされるのが親です。

責任はある。

でも、責めることはできない。

そのうえ、子どもの将来への不安は誰よりも重く背負っています。

「正直しんどいな…」

そう感じてしまう瞬間は、決して少なくありません。

これらの不安が押し寄せたときに「どうにかしなきゃ⋯」と思い、さまざまな助け舟を出すことがあります。

それが、過干渉や甘やかしと感じられる要因になっているのかもしれません。(自分ではそのようなつもりはないのですが…)

将来への不安は「甘え」では消えない

よく「時代は変わった」「不登校でも大丈夫」「学校以外にも選択肢はある」と言われます。

でも、親としてどうしても頭をよぎるのは、「この子は大人になったとき、ちゃんと仕事に就けるのか?」という現実的な不安です。

もしそこが社会としてある程度保障されているなら、ここまで怖くならないと思うんです。

けれど実際には、そう言い切れる材料はまだ少ない。

プロゲーマーやYouTuberのような成功例が語られることもありますが、それがごく一握りであることも、親は分かっています。

たとえ成功したとしても、基本的な勉強をせずに社会に出てしまうことは、リスクが大きいことが分かります。

そもそもそのような職業をやりたいのかもわからず、常に手探りです。

それならば、日本の社会構造にのっとって進学→就職の方が将来の見通しが立つので精神的に楽です。

逃げ道が見えない状態で「無責任な人から大丈夫」と言われるほど、怖いものはありません。

学校に行けないのならば「どこかに居場所を」と言われますが、その居場所探しも容易ではありません。

その結果つい「何かしてあげなきゃ」と焦ってしまい、結果的に子どもへの口出しが増えてしまうことがあります。

これらの不安も、過干渉と言われる要因の一つだと思われます。

支援は「ある」けれど、現実的に使えないことも多い

「学校へ行けないならフリースクールは?」と言われることもあります。

しかし、フリースクールの費用は、月3万円程度というケースも珍しくありません。(※日数や時間によっても異なります。)

実際、不登校の子どもがフリースクールを利用している割合は高くありません。

ベネッセの調査によると、不登校経験のある小中学生の約8割が、フリースクールを一度も利用していないという結果が出ています 。

「条件が合えば利用したい」と考える家庭は多いものの、利用しない理由の最多は「費用が高い」でした 。

つまり、使いたくないのではなく、使えない家庭が多いということが分かります。

無料で利用できる「支援センター」もありますが、数が少ないため、場所が遠くて通いにくいこともあります。

また、たとえ行けたとしても子どもに合わないことも…。

私の息子の場合は「人が多いところが苦手」なので行くこと自体が苦痛みたいです。

また、これらの支援を受けたくても送迎が必要な場合は、親が担うことが多くなります。

公的な統計で過ごし方までは示されていませんが、不登校児は家で過ごす時間が長くなりやすく、「ただ甘やかしているだけ」と捉えられることもあります。

不登校の負担は、親の中でも特に母親に偏りやすい

不登校の負担は、親の中でも特に母親に偏りやすい

不登校になると、生活は一気に変わります。

「母親が働けなくなる」という検索結果が出てくるのも、現実を反映していると思います。

なぜなら、子どものメンタルの状態を日々見ながら、無理をさせないように気を配り、外部との調整や情報収集を担う役目になりがちだからです。

そのため、働くことが容易ではなく、世帯収入が落ちる傾向があります。

そうなると、学校以外の居場所として、フリースクールや習い事からどんどん遠ざかってしまいます。

また、不登校の子どもに兄弟がいる場合は、さらに負担が増えます。

精神的に安定している状態ならまだいいのですが、不登校にはメンタルが不安定な時期もあります。

この時に、子どもから目を離すと「何をするか分からない恐怖」が私にはありました。

これらも、子どもへの過保護・過干渉につながる要因かもしれません。

不登校の負担が母親に偏りやすい理由については、別の記事で詳しく書いています。
不登校の対応が母親ばかりに集中する理由|学校連絡・居場所探し・仕事との両立の現実


まとめ:不登校の親の特徴は「性格」ではない

不登校の親は、性格が極端なのではなく、選択肢の少ない状況に置かれているだけだと感じます。

あくまで、個人的な視点で調査した結果ですが、不登校の親に特定の性格的特徴があるわけではないと思います。

見えてくるのは、

  • 親の価値観や育った環境
  • 共働き家庭の生活構造
  • 支援制度が使いにくい現実
  • 将来の不安
  • 母親に負担が偏りやすい状況

これらが、一般的に言われる「不登校の親の特徴」に見えているだけです。

親の性格が原因で子どもが不登校になるわけではありません。
むしろ、構造的な問題が多いことを知って、少し肩の力を抜いても大丈夫です。

もちろんすべての家庭に当てはまるわけではありませんが、同じ親でも不登校の子どもと学校へ行ける子どもがいるのであれば、100%親のせいとは言い切れないと私は思います。

海外でも不登校は社会問題として扱われており、日本とは異なる支援体制があります。
▶不登校の子どもは海外にも存在します。気になる方はこちらの記事もご覧ください。

▶不登校児への接し方などはこちらにまとめています。

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