「不登校の子どものやる気スイッチは、どこにあるんだろう」
子どもが学校へ行かず、勉強もしない日が続くと、親としては何かきっかけを探したくなりますよね。
我が家でも、息子が不登校になってから、勉強に興味を持ちそうなものを探したり、好きなことが将来につながらないかと考えたりしてきました。
でも、不登校7年目になって感じるのは、子どものやる気スイッチは、親が見つけて押せるものではなかったということです。
一方で、ずっと何も変わらなかったわけでもありません。
自分で簡単なチャーハンを作るようになったり、「暇だから勉強しようかな」と口にしたり、プログラミングの画面に興味を示したり。
親が期待していた「学校へ行く」「毎日勉強する」といった変化ではなくても、子どもが自分から動く瞬間はありました。
この記事では、不登校の子どもにやる気が出ないと感じる理由や、我が家で見られた小さな変化、親として感じたことをまとめます。
不登校の子どものやる気スイッチは親が押せるものではなかった
不登校の子どもを見ていると、「何かやる気が出るきっかけさえあれば」と考えてしまうことがあります。
学校へ行けないなら、家で勉強してほしい。
勉強が難しいなら、何か好きなことを見つけてほしい。
好きなことがあるなら、将来につながる形にしてほしい。
私も、そんなふうに思っていました。
家でゲームをしている息子を見て、「好きなことはできるのに、どうして勉強はできないんだろう」と感じたこともあります。
ただ、親が「これなら興味を持つかも」と思って用意したものに、子どもが反応するとは限りませんでした。
勉強を勧めても続かない。
興味を持ちそうなことを見せても反応しない。
生活を整えてほしいと思っても、すぐに変わるわけではない。
親が焦ってスイッチを探しても、本人の気持ちがそこに向いていなければ動かないのだと思います。
だからといって、子どもにやる気がまったくないという意味ではありません。
我が家では、親が思っていた場所とは違うところで、息子が自分から動く瞬間が少しずつ見えるようになりました。
不登校の子どもにやる気が出ないと感じる理由
不登校の子どもが勉強や生活のことに動かないと、「やる気がないのでは」「このままで大丈夫なのか」と不安になります。
我が家でも、息子が動かないように見える時期がありました。
振り返ってみると、やる気がないというより、親が期待する方向には気持ちが向きにくい状態だったのだと思います。
学校のことだけで気持ちがいっぱいになっている
学校へ行けない時期の子どもは、家で過ごしているだけに見えても、気持ちの中では学校のことを抱えている場合があります。
朝起きられるのか。
今日は学校へ行くのか。
休んだら何か言われるのか。
明日はどうするのか。
息子も、学校へ行こうとしても動けなかったり、行けたあとに疲れてしまったりすることがありました。
そんな状態では、親が「勉強しよう」「何か始めよう」と思っても、本人にとってはそこまで気持ちが回らなかったのかもしれません。
親の期待が重たくなることもある
親としては、子どもが何かに興味を持つとうれしくなります。
「これなら続けられるかも」
「勉強につながるかも」
「将来の仕事にできるかも」
私も、つい先のことまで考えてしまうことがありました。
でも、子どもはただ楽しいからやっているだけかもしれません。
親が期待を乗せすぎると、好きだったものまで「やらなければいけないもの」になってしまうことがあります。
息子が興味を示したからといって、すぐに勉強や将来につなげようとするのではなく、まずは本人が気になったこととして見ておくほうがよかったのかもしれません。
好きなことができても、勉強に向かえるとは限らない
不登校の子どもがゲームをしたり、動画を見たりしていると、「それができるなら勉強もできるのでは」と思ってしまいます。
私も、そう感じることがありました。
でも、好きなことをして過ごすことと、勉強や学校に向かうことは、子どもにとって同じ負担ではありませんでした。
ゲームはできる。
友達とは話せる。
でも、勉強は進まない。
親からすると納得しにくい部分もありますが、息子を見ていると、好きなことができるからといって、すぐに勉強へのやる気まで出るわけではないのだと感じました。
不登校の子どもにやる気が出てきたと感じた我が家の変化

我が家では、息子が急に学校へ行けるようになったり、毎日勉強するようになったりしたわけではありません。
ただ、長く見ているなかで、「以前とは少し違うな」と感じる場面はありました。
自分でチャーハンを作るようになった
息子は、不登校になってから、昼まで起きない日が続いていた時期がありました。
起きても、自分で食べるものを用意するのが面倒なのか、食べないまま過ごすこともありました。
私は以前から、「朝ごはんくらいは自分で作ってほしい」と伝えていました。
でも、最初は作りませんでした。
面倒だったのか、そのまま食べない日もありました。
それが、ある時期から、自分で簡単なチャーハンを作る日が出てきました。
即席のチャーハンの素に、ねぎを入れるくらいの簡単なものです。
料理に興味が出たというより、単純にお腹が空いて、自分で作るしかなかったのだと思います。
それでも、以前は食べずに過ごしていた息子が、自分で作って食べている。
その姿を見たときに、「自分で動くことが少し増えてきたのかもしれない」と感じました。
学校や勉強へのやる気とは違います。
でも、本人が必要を感じて自分から動いた、小さな変化でした。
「暇だから勉強しようかな」と言った
最近は、学校帰りに友達が立ち寄ってくれる時間が、息子にとって楽しみになっていました。
ところが、ある日、学級閉鎖で友達が来なくなり、午後の時間がぽっかり空いてしまいました。
すると息子が、ふと、
「暇だから勉強しようかな」
と言ったのです。
私は、勉強するよう促したわけではありません。
何かに誘導したわけでもありません。
今まで勉強がなかなか続かなかった息子が、自分から「勉強しようかな」と言ったことに驚きました。
もちろん、それをきっかけに毎日勉強するようになったわけではありません。
その日、自分からそう思った。
そういう瞬間があった。
それだけです。
でも、親が何度声をかけても動かなかったのに、本人の中から自然に出てきた言葉だったことは、私にとって大きな変化でした。
プログラミングに興味を示した
息子がスクラッチで簡単なプログラミングを楽しんでいた時期もありました。
私自身もプログラミングが好きなので、「スクラッチの先には、こういうコードを書く世界もあるんだよ」と話したことがあります。
でも、そのときは特に興味を示しませんでした。
そんなある日、私が少し勉強して、コードで簡単なゲームを作って見せたことがありました。
すると息子は、画面を見ながら、
「おおー……すげー」
と言いました。
それですぐにプログラミングを勉強し始めたわけではありません。
ただ、それまであまり反応しなかったものに、少し興味を示した瞬間でした。
親が「今、興味を持ってほしい」と思ったタイミングでは反応しなくても、別の場面で心が動くこともあるのだと思います。
不登校の子どものやる気が出てきたときに見られたこと

我が家の場合、やる気が出てきたと感じたのは、学校へ行くようになったときではありませんでした。
次のような、小さな行動が見られたときです。
自分のために何かをするようになった
チャーハンを作ることは、親から見れば小さなことかもしれません。
でも、以前は食べないまま過ごすこともあった息子が、自分で作って食べるようになったのは、ひとつの変化でした。
学校や勉強につながらなくても、自分の生活のために動く姿が見られるようになったことは、私にとってうれしいことでした。
自分から「やってみようかな」と言うことがあった
親が勧めたことではなく、本人の口から「勉強しようかな」という言葉が出たことも印象に残っています。
続くかどうかよりも、自分からそう思った瞬間があったことが大切だったのだと思います。
興味を持ったものに反応するようになった
プログラミングの画面を見て「すげー」と言ったことも、小さな変化でした。
すぐに何かを始めなくても、興味を持つことや、気になるものに反応することが、本人の中の動きにつながる場合もあるのだと思います。
不登校の子どものやる気スイッチを探す親ができること
不登校の子どものやる気スイッチは、親が押せば入るものではありませんでした。
それでも、親としてできることがまったくないわけではないと思います。
我が家で感じたのは、無理に動かそうとするよりも、本人が動いた瞬間を見逃さないことのほうが大切だったということです。
興味を示したものをすぐ将来につなげすぎない
子どもが何かに興味を示すと、親はつい期待してしまいます。
プログラミングに反応すれば、「将来役立つかも」と思う。
勉強を口にすれば、「これで続けられるかも」と思う。
私もそうでした。
でも、本人にとっては、その瞬間に少し気になっただけかもしれません。
すぐに結果や将来につなげようとすると、本人の負担になることもあります。
まずは「今、少し興味が向いたんだな」と見ておくくらいでもよいのだと思います。
自分から動いたことを小さく見ない
自分で食事を作った。
少し勉強しようと思った。
興味のある画面に反応した。
親が待っている変化と比べると、小さく見えることもあります。
でも、不登校が続いている子どもにとって、自分から何かをすることは大きな一歩になる場合があります。
学校へ行くかどうかだけで見ていると、こうした変化を見逃してしまうことがあります。
一度の変化で期待しすぎない
子どもが一度動くと、親としては「このまま変わるかも」と期待してしまいます。
でも、我が家では、自分から勉強を口にしたからといって、その後ずっと続いたわけではありませんでした。
少し動ける日もあれば、また何もしないように見える日もあります。
一度の変化を「これで大丈夫」と思いすぎると、続かなかったときに親も苦しくなります。
小さな変化があったことは受け止めつつ、すぐに結果を求めすぎないことも必要だと感じています。
まとめ|不登校の子どものやる気スイッチは親が押すものではなかった
不登校の子どもを見ていると、「やる気スイッチはどこにあるのだろう」と思うことがあります。
学校へ行かない。
勉強もしない。
家では好きなことだけしているように見える。
そんな状態が続くと、親として不安になるのは当然だと思います。
私も、息子が動くきっかけを探していました。
でも、不登校7年目になって感じるのは、やる気スイッチは親が見つけて押すものではなかったということです。
我が家で見えた変化は、自分で簡単なチャーハンを作ることや、暇になった日に「勉強しようかな」と言うこと、コードで作ったゲームに反応することでした。
どれも、それだけで不登校が終わるような大きな変化ではありません。
それでも、本人の中から出てきた動きだったことは確かです。
親が待っていた形とは違っても、子どもが自分から動いている瞬間はある。
私自身もまだ不安になったり、期待しすぎたりすることはありますが、小さな変化をすぐに結果につなげようとせず、見ていけたらと思っています。
▶家庭での接し方はこちらにまとめています。


