「なんで私ばかりなんだろう。」
子どもが不登校になると、学校との連絡、朝の声かけ、病院探し、進路の情報収集など、気づけば母親が対応していることが少なくありません。
私も7年間、不登校の息子と向き合う中で、「夫は何も分かってくれない」と感じたことが何度もありました。
もちろん、夫にも仕事があります。
でも、一緒に暮らしているはずなのに、見えている景色がまるで違う。その温度差が苦しくなることもありました。
この記事では、不登校の対応が母親ばかりになりやすい理由と、私が実際に感じた夫婦の温度差、そして少しでも一人で抱え込まないための考え方をお伝えします。
私が「母親ばかり」と感じた瞬間

息子が不登校になってから、学校から電話が来るのはいつも私でした。
朝の声かけも、病院を探すのも、居場所を調べるのも私。付き添い登校も、早退時に迎えに行くのも私。
デイサービスやフリースクールを探して見学に行き、先生と連絡を取り、子どもの様子を伝えるのも私でした。
夫は仕事で帰りが遅く、「仕方ない」と頭では分かっていました。
それでも、毎日対応しているのが自分だけだと、「なんで私ばかりなんだろう」と思ってしまう日が何度もありました。
夫が悪いというより、一緒に悩みを抱えてくれる人がいないことが苦しかったのだと思います。
父親の労働時間が長すぎて、家庭に関わる時間が奪われている
私だけが特別だったわけではありません。
調べてみると、母親に負担が集中しやすい背景には、日本の働き方や家庭の役割分担も関係していることが分かりました。
日本の男性の有償労働時間は、OECD諸国の中でも最長クラス。
平日の帰宅が遅く、子どもと触れ合う時間が極端に短い家庭が多いのが現実です。
OECDの生活時間調査(2020)では、日本男性の有償労働時間は452分/日と、比較国中で最長クラスでした。
OECD男性平均(317分)を大きく上回り、家庭に関わる時間そのものが奪われている構造が見えてきます。
その結果、
- 子どもの変化に気づきにくい
- 不登校の“前兆”を見逃しやすい
- 家庭内の情報量に大きな差が生まれる
という状況が自然と生まれます。
これは「父親が無関心だから」ではなく、家庭に関わる“時間そのもの”が奪われている構造の問題です。
(参照:内閣府男女共同参画局、「コラム1 生活時間の国際比較」)
不登校の対応で母親のメンタルが崩壊しそうになる瞬間

学校との連絡や進路探しだけではありません。
毎日、子どもの気持ちを理解しようと考え続けることも、母親にとっては大きな負担でした。
夫はよく「不登校のことは、俺には分からない」と言っていました。
でも、私は「分からなくてもいいから、理解しようとしてほしい」と何度も伝えました。
息子はゲームが好きでした。
「だったら一緒にゲームをやってみたら?」
子どもの世界を少しでも知ろうとすれば、見えてくるものがあるかもしれない。
私はそう思っていました。
私だって最初から不登校を理解していたわけではありません。
分からないから本を読み、調べ、子どもの話を聞き、「そうなんだ」と受け止めながら、少しでも理解しようとしてきました。
だからこそ、「分からない」の一言で終わらせてしまう姿を見ているのが、一番つらかったのです。
不登校の子どもに寄り添おうとするために、分からないことを調べ、考え続ける。その目に見えない負担まで背負っていたからこそ、私は何度も「もう限界かもしれない」と感じました。
過干渉に見える行動の裏にある「切実な理由」
不登校の対応では、母親の行動が「過干渉」と言われることがあります。
でも、その裏には切実な理由があります。
私は一度、「もう放っておいたほうがいいのかもしれない」と思い、1週間ほど“放置”を試したことがあります。
結果は、自立ではありませんでした。
自らご飯を食べなかったのに、栄養不足で「目が見えない」と騒ぐ我が子。
倒れれば、看病も通院も生活の立て直しも、すべて母親の肩にのしかかります。
つまり、母親が動くのは甘やかしではなく、共倒れを防ぐための“生活のリスク管理”です。
▶1週間放置したときの体験談はこちら
母親ばかりが背負わないためにできること

夫婦で“問題”ではなく“事実”だけを共有する
感情ではなく、起きている事実だけを淡々と共有すると、温度差が少しずつ埋まります。
母親の負担を“見える化”する
- 学校連絡
- 放課後デイサービス連絡
- 通院
- 居場所探し
- 生活リズムの管理
- メンタルケア
- 習い事の送迎
- 兄弟のフォロー
これらを紙に書き出すだけでも、「こんなにやっていたんだ」と自分を認められます。
外部の居場所・支援を早めに確保する
母親一人で抱え込まないための“逃げ道”をつくることは、決して弱さではありません。
母親自身の休息を“戦略”として扱う
休むことはサボりではなく、子どもを支え続けるための“必要なメンテナンス”です。
まとめ
不登校の対応が母親ばかりに集中するのは、あなたのせいではありません。不登校の対応は、母親のメンタルが崩壊しそうになるほど大きな負担になることがあります。
- 父親の長時間労働
- 母親が窓口になる文化
- 子どもとの接触時間の差
- 家庭内の情報格差
こうした“社会構造”が背景にあります。
あなたが今、心を込めて注いでいる愛情は、必ず子どもの生きる力になります。
どうか一人で背負い込まず、あなた自身の心も大切にしてあげてくださいね。
▶詳しくは、不登校家庭での関わり方をまとめた【記事】をご覧ください


