「共働きだったから、子どもが不登校になったのかもしれない」
子どもが学校に行けなくなったとき、私はそんなふうに自分を責めたことがあります。
仕事と子育てに追われて、子どもの小さな変化に気づけなかったのではないか。
忙しさの中で、子どもの不安を受け止める余裕がなかったのではないか。
朝の行き渋りに、もっと違う対応ができたのではないか。
何度もそう考えました。
でも、7年以上子どもの不登校と向き合ってきて感じるのは、共働きそのものが不登校の原因とは言い切れないということです。
ただし、共働きで親に余裕がなくなると、子どもの不安や行き渋りに落ち着いて対応することが難しくなる場面はあります。
この記事では、仕事を休めない朝に子どもが学校へ行けなくなったときの私の実体験をもとに、共働き家庭と不登校について感じたことをまとめます。
共働きだから不登校になるわけではない
まず、共働き家庭だからといって、必ず子どもが不登校になるわけではありません。
不登校は、家庭の状況だけで決まるものではないと思います。
子どもの気質、学校での出来事、友達関係、先生との相性、勉強の負担、生活リズム、家庭での安心感など、いろいろな要素が重なって起こることがあります。
同じ家庭で育っていても、子どもによって反応は違います。
学校に通える子もいれば、同じ環境でも強い負担を感じる子もいます。
そのため、「共働きだったから不登校になった」と単純に決めつける必要はないと思っています。
ただ、共働きで親の時間や心の余裕が少なくなると、子どもの変化に気づきにくかったり、朝の対応がきつくなったりすることはあります。
| 共働きそのもの | 不登校との関係 |
|---|---|
| 共働きだから必ず不登校になる | そうとは言えない |
| 親が忙しくて余裕がなくなる | 子どもの不安に気づきにくくなることがある |
| 朝の対応に時間が取れない | 行き渋りの場面で親子ともに追い詰められやすい |
| 仕事を休みにくい | 親が焦りや怒りを抱えやすい |
| 家庭で話す余裕が少ない | 子どもが不安を出しにくくなる場合がある |
大事なのは、「共働きが悪い」と決めつけることではなく、親の余裕がなくなったときに何が起きやすいのかを見ることだと思います。
仕事を休めない朝に、親は追い詰められる
うちの子が不登校になったのは、小学校低学年の頃でした。
朝になると、「お腹が痛い」「学校に行けない」と言うことが増えていきました。
親としては心配です。
でも同時に、仕事の時間も迫ってきます。
迷惑をかけるから仕事は休みたくない。
でも、子どもを放っておくわけにもいかない。
この板挟みが、かなり苦しかったです。
子どもが動かない。
時間だけが過ぎていく。
職場に連絡するか迷う。
でも、まだ行けるかもしれないと思ってしまう。
子どもに声をかけるたびに、こちらも焦っていく。
そんな朝が続くと、親の心はすり減っていきます。
「早くして」
「もう時間ないよ」
「どうするの?」
そう言いたくないのに、言ってしまうことがありました。
本当は、子どもの不安を受け止めるべきだったのかもしれません。
でも、そのときの私は、仕事の時間と子どもの状態の間で、冷静に対応する余裕がありませんでした。
行き渋り期に関しては、こちらもご覧ください。
▶不登校の混乱期はどんな状態?行き渋りが始まった頃に親子に起きていたこと【実体験】
怒ったあとに残った後悔
朝の行き渋りに対して、感情的になってしまったこともあります。
子どもを責めたいわけではありませんでした。
でも、仕事に行けるか分からない。
職場に迷惑をかけるかもしれない。
このまま休みが続いたらどうなるのか分からない。
そんな不安が重なると、言葉がきつくなることがありました。
怒ったあと、毎回のように後悔しました。
「これでよかったのかな」
「また追い詰めてしまったかもしれない」
「でも、どうすればよかったの?」
そんな気持ちでした。
共働き家庭で不登校が始まると、親は子どもの心配だけでなく、仕事の調整も抱えることになります。
子どものことだけを考えられればよかったのかもしれません。
でも現実には、生活も仕事もあります。
その中で、親がきれいに対応し続けるのは簡単ではありませんでした。
共働きでつらかったのは「時間」よりも余裕のなさだった
共働きで不登校に向き合う中でつらかったのは、単に時間がないことだけではありませんでした。
一番きつかったのは、心の余裕がなくなることでした。
| 余裕がないときに起きやすいこと | 親の中で起きていたこと |
|---|---|
| 子どもの反応を待てない | 仕事の時間が迫って焦る |
| 優しく聞けない | 何度も同じ朝を繰り返して疲れている |
| 休ませる判断ができない | 休ませたらこのまま行けなくなるのではと不安になる |
| 怒ったあとに後悔する | 子どもを責めたいわけではなかったと感じる |
| 自分を責める | 働いていたせいではないかと考えてしまう |
忙しいから愛情が足りなかった、という話ではありません。
ただ、余裕がないと、子どもの不安を受け止める前に、親の焦りが先に出てしまうことがあります。
私の場合もそうでした。
子どもが学校へ行けない理由を考える前に、「仕事に間に合うか」「職場に何て言うか」「今日も休むのか」という現実が先に押し寄せてきました。
その焦りが、子どもへの言葉に出てしまったのだと思います。
親自身の「頑張って当たり前」も影響していた
私自身、子どもの頃は「多少つらくても学校へ行くもの」と思っていました。
休みたいと言いにくい環境でもありました。
だから、子どもが学校へ行けなくなったとき、最初はなかなか理解できませんでした。
「少し我慢すれば行けるのでは」
「行ってしまえば何とかなるのでは」
「みんな多少は嫌でも行っているのでは」
そんな考えが、どこかに残っていたのだと思います。
でも、不登校の子どもに向き合ううちに、それだけでは通じないことが分かってきました。
子どもには子どもの限界があります。
親の経験や価値観だけで、「このくらいなら行けるはず」と判断してしまうと、子どものしんどさを見落としてしまうことがあります。
共働きかどうかだけでなく、親自身が持っている「学校は行くもの」「頑張るもの」という考え方も、子どもへの対応に影響していたのかもしれません。
家庭が安心して不安を出せる場所だったか
6年以上不登校と向き合う中で、私が考えるようになったのは、「家庭が子どもにとって安心して不安を出せる場所だったか」ということです。
共働きで忙しいと、家の中でも親が常に何かに追われていることがあります。
- 朝は仕事の準備
- 帰宅後は家事
- 夜は明日の準備
- その合間に学校の連絡や子どもの対応
そんな毎日の中で、子どもが不安を出したときに、私はどれだけ受け止められていたのだろうと思います。
もちろん、すべてを親のせいにする必要はありません。
でも、子どもが「学校がつらい」「行きたくない」「不安」と出したときに、親が焦りや怒りで返してしまうと、子どもはさらに言いにくくなることがあります。
私も、もっと早く「行けない理由」を聞くより、「今どんな感じなのか」を受け止められていたら違ったのかもしれないと感じることがあります。
共働き家庭で親ができる小さな関わり
共働き家庭で不登校に向き合う場合、親がすべてを完璧に対応するのは難しいです。
- 仕事もある
- 家事もある
- 生活もある
- 子どもの対応もある
全部を一人で抱えようとすると、親の方が限界になります。
だから、できることは小さくていいと思います。
| 親ができる小さな関わり | 内容 |
|---|---|
| 朝の声かけを短くする | 長く説得せず、確認だけにする |
| 責める言葉を減らす | 「なんで行けないの」より、状態を確認する |
| 仕事の調整を一人で抱えない | 家族や職場、学校と共有できる範囲で相談する |
| 子どもの好きなことを少し知る | 会話のきっかけを作る |
| 完璧に受け止めようとしない | 親も疲れていることを自覚する |
私も、最初からうまくできたわけではありません。
怒ったこともあります。
焦ったこともあります。
仕事を優先したいと思った日もあります。
子どもを置いて行くことに罪悪感を持った日もあります。
それでも、少しずつ「親が全部を完璧に受け止めなくてもいい」と考えるようになりました。
親に余裕がないときは、無理に正解を出そうとしない。
まずは、子どもを責めすぎないこと。
親自身も壊れないこと。
家庭の中で少しでも安心できる時間を残すこと。
そのくらいからでいいのだと思います。
まとめ:共働きが原因ではなく、余裕のなさが親子を苦しくすることがある
共働き家庭だからといって、子どもが不登校になるわけではありません。
不登校は、子どもの気質や学校環境、家庭の状況など、いろいろな要素が重なって起こるものだと思います。
ただ、共働きで親に余裕がなくなると、子どもの行き渋りに落ち着いて向き合うことが難しくなる場面はあります。
仕事を休めない。
でも、子どもを放っておくわけにもいかない。
その板挟みの中で、親が焦ったり、怒ったり、自分を責めたりするのは自然なことだと思います。
私もそうでした。
大事なのは、「共働きだったからダメだった」と自分を責め続けることではなく、親の余裕がなくなったときに何が起きやすいのかを知ることだと思います。
子どもの不安を受け止めるには、親にも余裕が必要です。
だからこそ、親だけで抱え込まず、家族や学校、相談先とつながりながら、少しずつ関わり方を考えていけたらいいのだと思います。
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