不登校の子どもが、勉強もせずにゲームやスマホばかりしている。
そんな姿を見ていると、
「もう取り上げたほうがいいんじゃないか」
「このままだとゲーム依存になるのでは」
「ゲームだけできるなら、少しは勉強もできるのでは」
と感じることがあります。
私も、何度もそう思いました。
実際に、ゲームやスマホを取り上げたこともあります。
ルールを決めたり、制限をかけたり、返したり、また悩んだり。いろいろ試してきました。
でも、わが家の場合、ゲームを取り上げたことで状況がよくなったわけではありません。
むしろ、子どもの状態はかなり不安定になり、親子関係も悪くなりました。
その経験から感じたのは、不登校中のゲームは、単純に「取り上げればいい」「自由にさせればいい」と決められるものではないということです。
この記事では、不登校7年目の親として、わが家で実際にゲームを取り上げたときのことと、そこから感じたスマホ・ゲームとの向き合い方について書いていきます。
不登校の子からゲームを取り上げた結果
息子が不登校で、ほとんど家の中で過ごしていた時期がありました。
当時のわが家では、「学校の時間帯はゲームやスマホを使わない」というルールを決めて、スクリーンタイムで制限をかけていました。
ところが、制限のすき間を見つけて、ほんの短い時間だけゲームをすることを何度も繰り返していた時期がありました。
たった少しの時間でも、制限が外れた瞬間にゲームをする。
その姿を見たとき、私はかなり怖くなりました。
「これはさすがにまずいのでは」
「このままだと本当にゲームから離れられなくなるのでは」
「もう全部取り上げるしかないのでは」
そう思いました。
そして、ゲームやスマホを取り上げました。
でも、結果は私が思っていたものとは違いました。
ゲームを取り上げたら、少しは生活が変わるかもしれない。
勉強までは無理でも、何か別のことをするかもしれない。
親の本気が伝わるかもしれない。
そんな期待がどこかにありました。
でも実際には、子どもの状態はかなり不安定になりました。
親子関係も悪くなり、こちらも耐えきれなくなって、結局スマホを返しました。
このとき初めて、私は気づきました。
ゲームやスマホは、ただの娯楽ではなかったのかもしれない。
学校に行けない。
外に出るのもしんどい。
友達との関わりも少なくなる。
家族以外とのつながりも減っていく。
そんな時期の子どもにとって、ゲームやスマホは、外の世界とつながる数少ない手段だったのだと思います。
もちろん、だからといって何でも自由でいいとは思いません。
ただ、子どもの状態を見ないまま急に取り上げることは、私が想像していた以上に大きな負担だったのだと感じました。
なぜゲームを取り上げようと思ったのか
親がゲームを取り上げたくなる理由は、単純に「ゲームが嫌いだから」ではありません。
本当は、不安なんです。
学校に行っていない。
勉強もしていない。
昼夜逆転している。
声をかけても返事が薄い。
でもゲームだけはできる。
この姿を毎日見ていると、親の心はどんどん削られていきます。
「このままで本当に大丈夫なの?」
「将来どうなるの?」
「私が甘いからこうなっているの?」
「もっと厳しくしないといけないの?」
そんな考えが頭から離れなくなります。
ゲームそのものよりも、ゲームの先に見える将来が怖い。
私の場合もそうでした。
ゲームをしている姿を見るたびに、子どもの将来が閉じていくように感じていました。
だから、「もう取り上げるしかない」と思ってしまったのです。
不登校中のゲームは「ただの遊び」ではないこともある

不登校中のゲームは、親から見ると現実逃避に見えることがあります。
でも、子どもにとっては、それだけではない場合もあります。
ゲームの中では、できることがある。
誰かとつながれる。
自分のペースで動ける。
失敗してもやり直せる。
学校のように責められない。
そういう場所になっていることもあるのだと思います。
もちろん、ゲームだけで生活が整うわけではありません。
ゲームをしていれば安心、という話でもありません。
でも、不登校の子どもにとって、ゲームが一時的な支えになっていることはあります。
そこを見ずに、「ゲームばかりしているから悪い」と決めつけてしまうと、子どもの最後の逃げ場まで奪ってしまうことがあります。
わが家の場合も、取り上げたあとに分かったのはそこでした。
ゲームを奪えば、子どもが動くと思っていた。
でも実際は、ゲームを奪ったことで、子どもの支えの一部までなくしてしまったのかもしれません。
それでもゲームを自由にしていいとは思えない
ただ、ここが難しいところです。
「ゲームは支えになることもある」と分かっても、親としては自由にさせ続けるのも怖いです。
一日中ゲーム。
昼夜逆転。
勉強はしない。
家族との会話も減る。
ゲームをやめると不機嫌になる。
そんな状態を見ると、親が不安になるのは当然です。
私も、「ゲームは大事な支えかもしれない」と思う一方で、「でもこのままでいいわけがない」とずっと思っていました。
だから、不登校中のゲームは、
「取り上げるべき」
「自由にさせるべき」
のどちらかでは決められないのだと思います。
大事なのは、今の子どもの状態で、その対応に耐えられるかどうか。
そして、親自身がどこまで抱えられるか。
この両方を見ることだと感じています。
ゲームを取り上げる前に見たいこと
ゲームを取り上げる前に、まず見たいのは「今の子どもの状態」です。
同じ制限でも、子どもの状態によって反応はまったく違います。
| 子どもの状態 | ゲームを取り上げる前に考えたいこと |
|---|---|
| 布団から出られない・会話が少ない | 急な取り上げは負担が大きい可能性がある |
| 食事や睡眠がかなり乱れている | ゲームだけでなく、生活全体の状態を見る |
| 親子で話し合えない | 一方的なルールは反発につながりやすい |
| 少し会話ができる | 使用時間や充電場所など、小さなルールから考える |
| 課金・暴言・家族への影響がある | 家庭だけで抱えず、学校や相談先に共有する |
心身がかなり落ちている時期ではないか
- 布団から出られない
- 食事も不安定
- 会話が少ない
- 表情が暗い
- 少しの刺激で大きく崩れる
こういう時期にゲームを急に取り上げると、子どもがさらに不安定になることがあります。
この時期は、ゲームが「楽しみ」というより、「なんとか一日をやり過ごすためのもの」になっている場合もあります。
親としてはつらいですが、まずは生活全体や心身の状態を見る必要があると思います。
親子で話し合える状態か
ゲームのルールを決めるには、最低限の話し合いが必要です。
でも、不登校の混乱期や親子関係が悪くなっている時期は、話し合い自体が難しいこともあります。
その状態で親が一方的に決めると、子どもには「罰」や「支配」のように感じられることがあります。
「学校へ行かないならゲーム禁止」
「勉強しないなら取り上げる」
このようなルールは分かりやすい反面、子どもには登校できない自分を責められているように感じられることもあると思います。
家族の生活に大きく影響していないか
一方で、ゲームを理由に家族全体が限界になっているなら、何もせず見守るだけでは難しいこともあります。
- 夜中まで音がする
- 暴言が増える
- 課金やトラブルがある
- 家族が眠れない
- 親が精神的に限界に近い
このような場合は、家庭内だけで抱えず、学校や相談先に共有した方がいいと思います。
不登校中のゲーム問題は、子ども本人だけでなく、家族全体に影響します。
親だけが我慢し続ける必要はありません。
ゲーム禁止以外にできること
ゲームを完全に取り上げる前に、できることもあります。
| 困っていること | 取り上げる前にできる工夫 |
|---|---|
| 夜中までゲームをする | 夜の使用時間や充電場所を決める |
| 食事中もやめない | 食事中だけは使わないルールにする |
| 課金が心配 | 課金は親に相談する約束にする |
| 音や通話で家族が眠れない | 夜は音を出さない・通話しない時間を決める |
| ゲーム以外をしない | 買い物・食事・会話など短い時間から関わる |
わが家でも、うまくいったこともあれば、うまくいかなかったこともあります。
それでも、いきなり全部取り上げるよりは、段階的に考えた方がよかったと感じています。
登校とゲームを強く結びつけすぎない
「学校へ行かなかった日はゲーム禁止」と決めた時期もありました。
うまくいった時期もあります。
でも、子どもの状態によっては、それがかなり負担になることもありました。
登校できたらゲーム。
登校できなかったらゲーム禁止。
この形にすると、ゲームがごほうびや罰になりやすいです。
不登校の子どもにとって、登校はかなり大きな負荷です。
そこにゲームの可否まで強く結びつけると、登校できなかった日のダメージがさらに大きくなることもあります。
家庭によって合う・合わないはありますが、私は今なら、登校とは切り離して家庭内のルールとして考えた方がよかったと思っています。
家庭のルールとして決める
ゲームのルールは、「学校へ行くかどうか」とは別に、家族で暮らすための約束として決める方が受け入れやすいことがあります。
たとえば、
- 夜は何時までにする
- 食事中は使わない
- 家族が寝ている時間は音を出さない
- 課金は勝手にしない
- トラブルがあったら親に相談する
- 使わない時間帯を少しだけ作る
こうしたルールは、登校の罰ではなく、生活を守るための約束として話しやすくなります。
子どもと一緒に決める
親が一方的に決めたルールは、反発されやすいです。
もちろん、子どもの希望を全部通す必要はありません。
でも、
「親としてここが心配」
「夜の音で家族が眠れない」
「課金だけは困る」
「何時までならできそう?」
というように、親の困りごとも伝えながら決める方が、少しは現実的です。
不登校中の子どもは、ただでさえ「自分で決める感覚」を失いやすいです。
だからこそ、ルールもできるだけ一緒に考える方がいいのだと思います。
ゲーム以外の時間を少しだけ作る
ゲームをやめさせようとすると、親も子どもも苦しくなります。
それよりも、ゲーム以外の時間を少しだけ作る方が現実的なこともあります。
それが勉強に直結しなくても、ゲーム以外の時間が少しでもできれば十分な時期もあります。
親としては、すぐに勉強や登校につなげたくなります。
でも、まずは子どもとの接点を戻すことが先だったのかもしれないと感じています。
親が限界のときは一人で抱えない
不登校中のゲーム問題は、親のメンタルをかなり削ります。
毎日ゲームばかりしているように見える。
勉強しない。
昼夜逆転する。
声をかけても反応が薄い。
そんな日が続くと、親の方が追い詰められます。
「このまま見守るだけでいいの?」
「私が甘いからこうなったの?」
「もっと厳しくしないとダメなの?」
そう考えて、何度も揺れます。
でも、ゲームの問題を親だけで抱え込むのはかなりしんどいです。
学校の先生、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、医療機関、地域の相談窓口など、話せる場所を作っておくことは大切だと思います。
特に、ゲームやスマホを取り上げたときに、強いパニック、自傷行為、暴力、自分や他人を傷つけるような行動が出る場合は、家庭だけで対応しようとせず、早めに相談した方が安心です。
親が限界を超えてしまうと、子どもを支えるどころではなくなります。
子どもの状態を見ることも大事ですが、親自身がどれくらい追い詰められているのかも、同じくらい大事です。
まとめ:ゲームだけを見て判断しない
不登校中のゲームやスマホは、簡単に答えを出せる問題ではありません。
取り上げれば解決するわけでもない。
自由にさせれば安心というわけでもない。
ゲームが問題になることもあります。
でも、子どもにとって支えになっていることもあります。
わが家では、ゲームを取り上げたことで、親子ともにかなり苦しくなりました。
その経験から感じたのは、ゲームそのものだけを見て判断すると、子どもの状態を見落としてしまうということです。
本当に見たいのは、ゲームの時間だけではありません。
子どもが今どんな状態なのか。
親子関係はどうなっているのか。
生活はどこまで崩れているのか。
家族はどれくらい疲れているのか。
そのうえで、取り上げるのか、制限するのか、今は見守るのかを考えるしかないのだと思います。
不登校中のゲームは、親にとって本当に悩ましい問題です。
でも、ゲームを敵にしすぎなくてもいい。
子どもの状態を見ながら、家庭でできる範囲のルールを考えていく。
そして、親だけで抱えきれないときは、外にも相談する。
それが、わが家の経験から感じたことです。
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