不登校で勉強しない日が続くと、親はどうしても将来が不安になります。
「このまま勉強しないで、高校に行けるのかな」
「仕事に就けるのかな」
「何もできないまま大人になったらどうしよう」
私も、息子が勉強から離れていた時期に、何度もそう考えました。
通信制高校や高卒認定など、学校に戻る以外の選択肢があることは分かっていても、「だから大丈夫」と簡単に思えるわけではありません。
実際、勉強していない期間が長くなれば、進学や学力面で困ることはあります。生活リズムや外との接点も気になります。
ただ、不登校で今勉強していないからといって、将来の選択肢がすべてなくなるわけでもありません。
この記事では、不登校の息子が勉強しなかった時期に私が感じた不安や、「勉強する意味が分からない」と言われた体験、不登校でも考えられる進路の選択肢についてまとめます。
不登校で勉強しない子の将来が不安だった

息子が不登校になり、勉強しない日が続くようになると、私は将来のことばかり考えていました。
学校に行っていない。
授業も受けていない。
家でもほとんど勉強しない。
そんな姿を見ていると、「このまま何年も過ぎてしまったらどうなるんだろう」と不安になります。
親としては、せめて家で少しでも勉強してほしいと思います。
学校へ行けないなら、家庭学習だけでも続けてほしい。
高校進学のときに困らない程度には、勉強してほしい。
私も、そう考えていました。
でも、子どもが動けない時期に、親が不安のまま勉強を求めても、思うようには進みませんでした。
勉強していないことへの不安はある。
でも、無理にやらせたからといって、子どもが前向きに学べるわけでもない。
不登校の子どもの勉強は、この間で親もずっと揺れるものだと思います。
息子に「勉強する意味が分からない」と言われた
家で勉強をすすめたとき、息子に「勉強する意味が分からない」と言われたことがあります。
私は、「高校へ進むときに必要になることがあるから」「進路の選択肢を減らさないためだよ」といった話をしました。
でも、息子にはあまり響きませんでした。
「そんなルール、誰が決めたの?」
「勉強できないとやばいって、なんで?」
そう聞かれると、私も言葉に詰まりました。
もちろん、読み書きや計算など、生活の中で必要になる学びはあります。進学を考えるなら、学力が必要になる場面もあります。
それでも、「勉強すれば将来困らない」と言い切ることは、私にはできませんでした。
私自身、子どもの頃は勉強が得意なほうでした。テストでも点数は取れていました。
でも、大人になってから、それだけで仕事や人間関係がうまくいったわけではありません。
学校の勉強が大切ではない、と言いたいわけではありません。
ただ、勉強ができることだけで、その子の将来や生きやすさが決まるわけでもない。
息子に「勉強する意味」を聞かれたとき、私自身もそこを考え直すことになりました。
不登校で勉強しないと将来どうなる?
不登校で勉強していない期間が長くなると、将来にまったく影響がないとは言えません。
高校進学を考える場合は、入試や学習面で準備が必要になることがあります。
また、将来働くときにも、高校卒業以上を応募条件としている求人があります。大学や短期大学、専門学校への進学を考える場合も、高校卒業またはそれと同等以上の学力が認められることが必要です。
さらに、勉強だけではなく、昼夜逆転や外との接点の少なさが続くことで、次の場所へ進むハードルが高くなることもあります。
だから、親が「このままで本当に大丈夫なのか」と不安になるのは当然だと思います。
ただし、不登校で勉強しない時期があったからといって、進路がなくなるわけではありません。
今は、全日制高校に通う以外にも、通信制高校や定時制高校、高卒認定試験など、子どもの状態に合わせて考えられる選択肢があります。
選択肢があるから安心、とは簡単に言えません。
それでも、「今勉強していない=将来が終わる」と決めつけなくていい材料にはなると思います。
不登校でも考えられる進路の選択肢

不登校で勉強していない期間があっても、進路を考える方法はいくつかあります。
子どもの状態や学力、通学への負担、家庭の状況によって合う選択肢は違うため、早い段階から決めつける必要はありません。
ただ、親が選択肢を知っておくことで、「学校へ戻れなかったら終わり」という不安は少し整理しやすくなります。
通信制高校
通信制高校は、レポート提出やスクーリング、試験などを通して高校卒業を目指す学校です。
毎日登校する全日制高校とは学び方が異なり、通学頻度やサポート内容は学校・コースによって変わります。
不登校経験のある生徒が在籍している通信制高校も多く、毎日の登校が負担になりやすい子にとって、進路の候補になる場合があります。
ただし、「通信制なら楽に卒業できる」という意味ではありません。
レポートを進める力や、必要なスクーリングへの参加、学校とのやり取りが必要になります。
子どもがどのような通い方なら続けられそうか、サポートの内容や通学回数を確認したうえで考えることが大切です。
▶不登校で「高校に行ける気がしない」と感じてしまう親へ。公立通信制という選択肢
定時制高校
定時制高校は、昼間・夜間などの時間帯に通いながら、高校卒業を目指す学校です。
学校によって授業時間や修業年限、雰囲気は異なりますが、全日制とは違うペースで学べる選択肢のひとつです。
毎日通う必要がある学校も多いため、通学自体が負担になっている子の場合は、実際に通えそうかを確認する必要があります。
説明会や学校見学を通して、本人が通うイメージを持てるかどうかを見ることも大切だと思います。
高等学校卒業程度認定試験
高等学校卒業程度認定試験、いわゆる高卒認定は、高校を卒業していない人が、高校卒業者と同等以上の学力があるかどうかを認定してもらうための試験です。
受験する年度の終わりまでに満16歳以上になる方が受験できます。
合格すると、大学・短期大学・専門学校などの受験資格を得られ、就職や資格試験などに活用できる場合があります。
ただし、高卒認定に合格しても、「高校卒業」の学歴になるわけではありません。
学校に通うことが難しい場合の選択肢にはなりますが、試験に向けた勉強は必要です。
そのため、今まったく勉強に向かえない状態の子に、すぐ高卒認定を目標にさせるのが合うとは限りません。
本人の気持ちやタイミングを見ながら、選択肢のひとつとして知っておく程度でもよいと思います。
参照:文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」
就労に向けた支援機関
進学だけでなく、将来的に働くことへの不安がある場合は、就労に向けた支援機関につながる方法もあります。
地域若者サポートステーション、通称サポステは、働くことに悩みを抱えている15歳から49歳までの方を対象に、就労に向けた支援を行う機関です。
すぐに就職を決める場所というより、相談や講座、職場体験などを通して、働くことへの一歩を考えていくための場所です。
中学生や高校生の時点ですぐ利用するものではない場合もありますが、「将来、学校以外にも相談できる場所がある」と知っておくことは、親の不安を整理する材料になると思います。
参照:厚生労働省「地域若者サポートステーション」
我が家で勉強につながらなかった関わり方

不登校の子どもが勉強しないと、親はどうしても焦ります。
私も、子どものためと思いながら、結果的に本人を追い詰めてしまうような声かけをしたことがあります。
すべての家庭に当てはまるわけではありませんが、我が家では次のような関わり方をしても、勉強にはつながりませんでした。
「勉強しなさい」と言い続ける
勉強していない姿を見ると、「少しでいいからやって」と言いたくなります。
私も、何度もそう思いましたし、実際に言ったこともあります。
でも、息子の場合、「勉強しなさい」と言われたからといって、前向きに始めることはありませんでした。
むしろ、勉強の話を出されること自体が嫌になり、余計に距離を取るように見えることもありました。
親としては、勉強しないまま時間が過ぎるのが怖いから言っているだけです。
でも、子ども側に動ける余裕がなければ、その言葉は「また責められた」と感じるものになってしまうのかもしれません。
ほかの子と比べる
同級生が学校へ通い、受験や進路の話をしている時期になると、どうしても比べてしまいます。
「みんなはもう進路を考えている」
「同じ年の子は勉強している」
「このまま差が広がったらどうするの」
親の頭に浮かぶのは自然なことだと思います。
でも、それをそのまま子どもに伝えても、息子が動けるようになるわけではありませんでした。
すでに自分が学校へ行けていないことを分かっている子にとって、周りとの比較は、やる気よりも「自分はもう無理かもしれない」という気持ちにつながることがあります。
親が先に進路を決めようとする
将来が不安になると、親は早く答えを見つけたくなります。
通信制高校を探したり、勉強方法を調べたり、「次はどうするの?」と聞いたり。
もちろん、親が情報を集めること自体は必要だと思います。
ただ、本人がまだ将来のことを考えられない状態のときに、親が答えを急ぎすぎると、子どもにとっては負担になることがあります。
我が家でも、私が不安だから調べているのに、それをそのまま息子にぶつけてしまうと、話は進みませんでした。
親が情報を持っておくことと、子どもにすぐ結論を求めることは別に考えたほうがよかったと思います。
興味のあることなら自分から調べる姿があった
息子は、学校の勉強にはなかなか向かいませんでした。
でも、好きなことや気になったことには、自分から調べる姿がありました。
ゲームのことなら、攻略情報や設定を調べる。
動画で気になることがあれば、自分から見て覚える。
世界一画数が多い漢字の話をしたときには、興味を持って調べる。
方程式を誰が作ったのかという話題には、由来や歴史に関心を示す。
そういう姿を見ていると、「この子は学ぶ力がないわけではないのかもしれない」と感じました。
学校の勉強として出されると動けない。
でも、自分が気になったことなら調べる。
もちろん、好きなことを調べているだけで、高校進学に必要な勉強がすべて補えるわけではありません。
興味のあることだけしていれば将来大丈夫、と言い切れるものでもありません。
それでも、勉強しない姿だけを見て、「この子には何もできない」「学ぶ気がない」と決めつけるのは違うと思うようになりました。
親としては、そこから少しでも勉強につながればと思ってしまいます。
でも、まずは子どもが何に反応するのか、どんなことなら自分から調べるのかを知ることも、関わり方を考える材料になると思います。
▶不登校の子どものやる気スイッチはどこにある?7年見てきた親の体験談
勉強だけで子どもの将来を決めつけたくはなかった
私は、子どもの頃は勉強が得意なほうでした。
テストで点数を取ることもできましたし、学校の勉強についていけないと悩むことはあまりありませんでした。
でも、大人になって仕事を始めると、学校の成績だけではどうにもならないことがたくさんありました。
人と話すこと。
周りを見ながら動くこと。
自分に合う働き方を見つけること。
失敗しても気持ちを立て直すこと。
学校で点数が取れていたからといって、社会に出て何も困らなかったわけではありません。
だからこそ、息子が勉強しない姿を見て不安になりながらも、「勉強ができないから将来も無理」とは決めつけたくありませんでした。
もちろん、勉強が不要だと思っているわけではありません。
進学を考えるなら、必要になる学力はあります。
将来の選択肢を広げるために、学び直しが必要になる時期もあると思います。
ただ、今すぐ学校の勉強に向かえないからといって、ゲームや動画など、本人が関心を持っているものまで否定してしまうのは違うと感じています。
勉強への不安は持ちながらも、その子が何に興味を持つのか、どんな場面なら自分から動けるのかを見ていく。
不登校の子どもの将来を考えるうえでは、そういう視点も必要なのだと思います。
まとめ|不登校で勉強しない今だけで、将来を決めつけたくない
不登校で勉強しない子どもを見ていると、親は将来が不安になります。
高校へ進めるのか。
働けるのか。
このまま何もできないままにならないか。
私も、何度もそう考えました。
実際、勉強していない期間が長くなれば、進学や学力面で困ることはあります。生活リズムや社会との接点についても、心配がなくなるわけではありません。
だから、「勉強しなくても大丈夫」と簡単に言うことはできません。
ただ、不登校で今勉強していないからといって、将来の選択肢がすべてなくなるわけでもありません。
通信制高校や定時制高校、高卒認定、将来的な就労支援など、状態に合わせて考えられる道はあります。
我が家でも、息子は学校の勉強にはなかなか向かいませんでした。
それでも、興味のあることなら自分で調べたり、気になったことを深掘りしたりする姿がありました。
その姿を見て、「今勉強していない」という一点だけで、この子の将来を決めつけたくはないと思うようになりました。
不安がなくなったわけではありません。
これからどうなるのか、まだ分からないこともあります。
それでも、学校の勉強だけでは見えない部分も含めて、子どもに合う道を考えていけたらと思っています。


