「不登校の親の特徴」と検索すると、「過保護」「過干渉」「完璧主義」といった言葉が並びます。
私も息子が不登校になった頃、「私の育て方が悪かったのかな」と何度も検索しました。
でも、7年子どもと向き合ってきて感じたのは、親の性格だけで不登校を説明できるほど単純ではないということです。
この記事では、ネットでよく言われる特徴と、私の7年の実体験から見えたリアルな親の姿を整理します。
※この記事は、私自身の経験をもとにした個人的な視点です。不登校の背景や要因は家庭ごとに大きく異なり、すべてのケースに当てはまるわけではありません。
▶不登校の子に『いい加減にしろ』と言いそうになる親へ|7年飲み込んできた理由
一般的に「不登校の親の特徴」と言われるもの
ネットで調べてみると、不登校の親について次のような特徴がみられました。
こうした言葉を見ると、自分に当てはまるのではと不安になる親も多いでしょう。
ただし、これらは「傾向」として語られることがあっても、親が原因だと断定するものではありません。
私はなぜ「当てはまる」と感じたのか
私は、「親の特徴」と言われるものの多くは、親の性格ではなく、置かれた環境や生活構造によってそう見えてしまう面が大きいと感じています。
息子が小2から7年不登校になり、向き合い続けてきた中で、その思いは強くなりました。
ここからは、私自身の経験をもとに感じたことを書いていきます。あくまで一つのケースとして読んでいただければ嬉しいです。
完璧主義と言われる理由・感情的に怒ってしまう理由

私が子どもの頃は、親も社会も学校も、「ルールを守ること」「集団に合わせること」が前提でした。
「宿題はやらなければ怒られる」
「遅刻はあり得ない」
「体調不良以外は休ませてもらえない」
という環境で育ったため、これらのルールに背むいたり、親や先生の言うことを聞かないと言うことが理解できませんでした。
もしも、親に口答えをしたとしたら、感情的に怒られるのが当たり前でした。
これらが当然の家庭環境や時代のため、現在の「不登校でも大丈夫」が当初全く理解できませんでした。
このように幼少期から厳しい行動を求められていたので、「それが当然」と思い込み、自然と自分の子どもにもこれらを押し付けてしまっていました。
今振り返ると、本当に申し訳なかったと猛省しています。
これが世間からみた完璧主義の姿であれば、不登校の親の特徴には当てはまってると思います。
これは言い訳かもしれませんが、価値観の土台が違う時代や環境で育った結果だと思っています。
「親の考えを押し付けてる」と思われる要因の一つでもあると思います。
過干渉と言われる理由
共働き家庭では、「学校へ行く」ことが前提で生活が回っていることが少なくありません。
「この時間までに、子どもにご飯を食べさせる。」「この時間までにお風呂を入れる。」
常に頭の中はタスクでいっぱいです。
毎日の生活がテトリスのように降ってくるので、常に綺麗にタスクがこなせるように考える必要があります。
ひとつタスクがあふれると、どんどんたまり、キャパオーバーになるかもしれません。
そんなふうに、学校のスケジュールを軸に生活を組み立てている家庭も多いのではないでしょうか。
「かまっていられない」というより、かまえる余白がなかったという方が近いと思います。
その結果、子どもが自分で失敗する機会を、「時間がないから」という理由で先回りして奪ってしまうこともありました。
この前提が崩れたときに、職場に迷惑をかける場面が増え、余裕を失って感情的に怒ってしまったこともあります。
甘やかしすぎと言われる理由

不登校の親は、今もなお「甘やかしている」と見られがちです。
一方で、支援に関わる人からは「責めてはいけない」「プレッシャーをかけないで」と言われます。
どちらの言い分も、言っていること自体は理解できます。
でも、その両方を同時に背負わされるのが親です。
責任はある。
でも、責めることはできない。
そのうえ、子どもの将来への不安は誰よりも重く背負っています。
「正直しんどいな…」
そう感じてしまう瞬間は、決して少なくありません。
これらの不安が押し寄せたときに「どうにかしなきゃ⋯」と思い、さまざまな助け舟を出すことがあります。
それが、過干渉や甘やかしと感じられる要因になっているのかもしれません。(自分ではそのようなつもりはないのですが…)
親の考えを押し付けると言われる理由
よく「時代は変わった」「不登校でも大丈夫」「学校以外にも選択肢はある」と言われます。
でも、親としてどうしても頭をよぎるのは、「この子は大人になったとき、ちゃんと仕事に就けるのか?」という現実的な不安です。
もしそこが社会としてある程度保障されているなら、ここまで怖くならないと思うんです。
けれど実際には、そう言い切れる材料はまだ少ない。
「学校以外にも道はある」と言われても、その道が本当に子どもに合うのか、将来につながるのかは分かりません。
逃げ道が見えない状態で「無責任な人から大丈夫」と言われるほど、怖いものはありません。
学校に行けないのならば「どこかに居場所を」と言われますが、その居場所探しも容易ではありません。
その結果、親の考えを子どもに押し付けてしまったり、そう見られてしまったりする場面が増えることがあります。
支援制度があっても現実には利用しづらい
「学校へ行けないならフリースクールは?」と言われることもあります。
しかし、フリースクールの費用は、月3万円程度というケースも珍しくありません。(※日数や時間によっても異なります。)
「居場所がある」と言われても、費用や距離、子どもとの相性など現実にはハードルが多く、親が思うように利用できないケースも少なくありません。
無料で利用できる「支援センター」もありますが、数が少ないため、場所が遠くて通いにくいこともあります。
また、たとえ行けたとしても子どもに合わないことも…。
また、これらの支援を受けたくても送迎が必要な場合は、親が担うことが多くなります。
公的な統計で過ごし方までは示されていませんが、不登校児は家で過ごす時間が長くなりやすく、「ただ甘やかしているだけ」と捉えられることもあります。
不登校の負担は、親の中でも特に母親に偏りやすい

不登校になると、生活は一気に変わります。
「母親が働けなくなる」という検索結果が出てくるのも、現実を反映していると思います。
なぜなら、子どものメンタルの状態を日々見ながら、無理をさせないように気を配り、外部との調整や情報収集を担う役目になりがちだからです。
そのため、働くことが容易ではなく、世帯収入が落ちる傾向があります。
不登校の負担が母親に偏りやすい理由については、別の記事で詳しく書いています。
▶不登校の対応が「母親ばかり」でメンタル崩壊しそう…父親との温度差が生まれる理由
まとめ:不登校の親の特徴は「性格」ではない
私は「親の特徴」を検索して、自分を責め続けました。
でも今思うのは、親の性格だけでは説明できないことが本当に多いということです。
もちろん親にできることはあります。
ただ、「特徴に当てはまるから不登校になった」と考えてしまう必要はありません。
この記事が、自分を責め続けている親御さんの気持ちを少しでも軽くできたら嬉しいです。
同じ家庭で育った兄弟でも、不登校になる子とそうでない子がいます。
だから私は、「親の特徴」だけで不登校を説明することはできないと思っています。
▶なぜ、不登校の親は「おかしい」と言われるのか?心理学で考えるラベリングの仕組み
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